ぼっちとキタさん
「後藤さん!今日は何の日か知ってる?」キターン
(うっ、今日もキタさんの笑顔が眩しいっ!陰キャのわたしはこの輝きに射殺されてしまうのか、まさか今日はわたしの、命日?)
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「ちょっと後藤さん!?」
「はい」
「今日は、1が4つ揃っているからポッキーの日なんですよ!だから、ポッキーゲームしましょ?」
「…ポッキーゲーム、ですか?」
(名前は聞いたことある。かの有名な陽キャのゲーム。1本のポッキーを2人が端から食べていって、キスするか、途中で折ったらチキンだなんだと罵られるゲーム。到底陰キャのわたしには関係の無い神々の遊び!)
「そうよ、はい!」
キタさんが口にポッキーを咥え、チョコ側をわたしに向けてくる。
「そ、その……」
「なによ後藤さん、恥ずかしいの?一緒にギターをやってる仲じゃない」
「わたしをチキンだのなんだの罵りたければ勝手に罵ってください...それと...」
「もう〜、またいつもの被害妄想?そんなことないない」
「わたしとキスをしたいならそんなに回りくどい方法取らなくてもいいんじゃないですか?その、バンドメンバーという間柄ですし、女同士なので...」
赤面するキタさん。
「...後藤さん、そういうところよ?」