「はぁ〜、1着になってセンターで踊るウィニングライブってやっぱり気持ちいいね〜」
「いいな〜、ターボは1位なんて取ったことないからセンターで踊れるネイチャが羨ましいぞ!」
「でもアンタも頑張ったじゃない、普段は大逃げかまして1着か途中で力尽きて最下位なのに、今回は3着だったじゃない」
「そう?ターボ頑張ったかな?」
「うんうん、頑張ってたよ」
「えへ〜、ネイチャに褒めてもらったぞ〜」
そう言ってターボがアタシに満面の笑みを向ける。
(かわいいなぁ、ターボは)
とっさにそう思った。
思えばウィニングライブの時。
アタシは横目でずっとターボが踊ってるのを見てた。
今回のライブの曲はカッコいいパンク系の曲。
正直アタシの勝負服が似合うような曲じゃない。
ターボのような勝負服の娘がセンターで踊るべき曲。
1着を取れて嬉しい反面、「ターボにこの曲でセンター踊ってほしかったな」と思った。
アタシの横で踊るターボを見る。
小さな身体でも服と曲のおかげなのかな?物凄くダイナミックに見えた。
跳ねる空より青いツインテール。
時おり見せる真っ白な八重歯。
その全てが、愛おしくて…
「ネイチャ、どうしたんだ?ずっとターボの方を見て」
そう声をかけられて、ふと我に返る。
「えっ!?い、いやぁ〜、今日のターボスゴく踊り上手だったなぁ〜って思い出して」
「ふっふ〜、イクノにしっかり振り付けを教えてもらったからな!」
「そっか、ターボも頑張ってるんだね」
「でもネイチャもスゴかったぞ!こーんなのとか、こーんな踊りまで!」
そう言ってターボはうろ覚えのアタシの振り付けをしてきた。
変。すっごく変。
でもかわいい。思わず見とれていた。
「次はターボが1着になってこの踊りをするんだ!絶対にネイチャには負けないぞ〜!」
そう言ってはりきるターボ。
うん、それでいい。アタシはセンターでカッコよく踊るターボを見たい。
「でもターボが1着になったらネイチャのあのカッコいい踊りも見れなくなるし、うーん、どうしたら…」
「ターボはターボの走りをすればいいよ」
「そうだよな、そう言ってくれるのはトレーナーとカノープスのみんなだけだ!大好きだぞ!」
そう言ってターボはアタシを抱きしめた。
アタシも抱き返した。
心も体も温まった、そんなレース終わりだった。