がくが綴る何か

思ったことをテキトーな頻度で文にまとめ更新していこうかと思います。

思い出したことがあります

小5のときに所属していた委員会の活動で、「生徒で空き缶を集めてそれを車椅子にして学校の近くの老人ホームにプレゼントする」というのがあった。

 

車椅子をプレゼントした時のお話。

 

毎年2学期の終わり頃、全校集会みたいな感じで「クリスマス会」というのが体育館で開かれていた。

 

そこに近くの老人ホームで生活されている方や職員の方を呼び、ぼくらの委員会がクリスマスプレゼントとして車椅子をプレゼントする一幕がそのクリスマス会には設けられていた。

 

クリスマス会の数日前。

 

「がくがサンタ役をやれ」

 

委員会の先生からそう頼まれた。

 

「分かりました」とぼくは返事をした。

 

そしてクリスマス会でプレゼントまでの段取りの打ち合わせが始まった。

 

ぼく以外にもサンタコスをした女の子が3人くらいいて、プレゼントを渡す前にその女の子たちがマライア・キャリーの「All I want for Christmas is you」に合わせて踊り、その踊りの途中でサンタに扮したぼくが登場する、という演出に決まった。

 

そしてぼくの登場のしかたについて先生から一言。

 

「ヒゲダンスで出てきたら?」

 

当時のぼくはヒゲダンスなんて知らないので、家に帰ってから親にヒゲダンスが何なのかを聞いた。

そこで初めてヒゲダンスが志村けんのギャグであることを知った。

 

クリスマス会当日。

 

打ち合わせ通り、女の子たちが体育館のステージの上でマライア・キャリーに合わせて踊る。

その陰でぼくは死ぬほど緊張しながらヒゲダンスの瞬間を待っていた。

 

先生が肩をトントンと叩き、それを合図にぼくはヒゲダンスでダンス中の女の子に乱入(?)した。

 

…死ぬほどウケた。

 

ステージを観る全ての人間の笑いを一身に受けながらステージ上でヒゲダンスをするサンタの服を着たぼく。

 

今でも何となく覚えている。

 

やる前は少し恥ずかしかったけど、いざヒゲダンスを始めたときにたくさんの笑いが起きた時の快感。

 

そして本来の目的である車椅子のプレゼントを終え、受け取った後の職員の方やお年寄りの方の笑顔。

 

確かにあの瞬間だけはぼくは志村けんのギャグでたくさんの笑いを起こしたのだ。

 

終わった後の達成感もひとしお。

 

先日、志村けんさんがコロナウイルスで亡くなられた。

そのタイミングでそう言えばこんなことあったなぁって思い出した。

 

あまりテレビとかで志村さんを見ることは無かったものの、自分の中にはそのヒゲダンスの思い出が結構強く残っていたのでかなり寂しかった。

 

ご冥福をお祈りします。