怪奇!YesどんぐりRPG、というお笑いトリオをご存知だろうか。
普段は3人組それぞれピン芸人として活動している(らしいが3人組でいるところしかみたことがない)のだが、それぞれ「一発ギャグが得意」という共通点を持っており、その強みを活かしてできたお笑いトリオである。
赤い服を着たYes!アキトという男については、確か今年の始めくらいに「ダブルパチンコ」というギャグがさんまのお笑い向上委員会だかなんかの番組で取り上げられて少し話題になったので知っていたのだが、正直他の2人については一切知らなかった。
https://twitter.com/yumeakito/status/1385579228536602634?s=21
ある日、千鳥のクセがスゴいネタGPなるお笑い番組で彼らの「プレイヤーチェンジ」というネタを見て腹抱えて笑った。
まずはこれを見てほしい。
3人が代わりばんこに一発ギャグを見せていく、そしてその中にたった一つのオチがある、そんなネタである。
まず、つまらないギャグが少ない。
これは文句無しに3人それぞれのギャガーとしてのネタのストックの多さゆえなのだろう。見ていて飽きない。
次に、ネタの見せ方が斬新だなぁと感じた。
自己紹介ギャグを3人がそれぞれ見せ、最後にどんぐりタケシ(真ん中の緑)が自己紹介ギャグを終えた後、「プレイヤーチェンジ」と連呼してギャグをする人が代わる。それを繰り返す。ただそれだけのネタなのだが、「プレイヤーチェンジ」の言い方がやけに耳に残るのと、「そこでネタのタイトルの伏線を回収するのか!」という意外性と、あとありそうでなかったギャグのローテーションのやり方が新鮮でおもしろいなと思った。
ギャグやボケを連発するお笑い芸人は山ほどいる。
例えばインディアンス(左)や流れ星(右)は物凄いハイペースで漫才の中にボケを入れるスタイルだし、
https://youtu.be/sMUy55Pyi40 インディアンス
https://youtu.be/Z7EGwaU59S0 流れ星
「プレイヤーチェンジ」のネタ同様一定のリズムでボケを繰り返すネタで真っ先に思いつくのが
レギュラーの「あるある探検隊」だろう。
また、怪奇!YesどんぐりRPG同様全員がボケるネタと言えば笑い飯のいわゆる「ダブルボケ」というネタの構成はどこか近しいものを感じる。
まず怪奇!YesどんぐりRPGをインディアンスや流れ星と比べた結果、この2組には「ツッコミ」がネタの中で欠かせない存在になっている。怪奇!YesどんぐりRPGにツッコミは存在しない。こと「プレイヤーチェンジ」のネタについてはホントにただ1つのオチに向かってひたすらギャグをしているだけなのだ。一応漫才の中にギャグを連発するという形なのだが、そこに反応する人が舞台にいない、それでいてオチが成立しているという意外性はあまりにおもしろさを増幅させる。(他にもムール貝の酒蒸しというネタがあるのだが、それに関してはオチがあるのかすら怪しいがそれでもバカバカしくておもしろい)
次に彼らをレギュラーと比べると、普通リズムに合わせて行われるネタの中にはある程度ルールがある。「あるある探検隊」であればボケは絶対に「無いことをあるあると言う」といったルールがあるように。
でも彼らのネタは(プレイヤーチェンジに限って言えばだが)どんぐりタケシにただ1つのルールが課せられているものの、他の2人は自由にギャグを見せられるという、リズムの中で好き勝手ギャグを見せられる人が2人もいる構成が成立している事実がそれだけでおもしろい。
最後に笑い飯と比べると、笑い飯のネタは徐々にダブルボケになっていくのがおもしろく、それに対し怪奇!YesどんぐりRPGは最初から全員がボケてくる、ギャグをしてくるといった独特の無秩序さが妙にクセになる。
最後に。
叶うことなら彼ら3人をもっと大きな舞台で見たい。